内装やさんの相談室

ペットと共に暮らす生活は、癒しや喜びを与えてくれます。
しかし、賃貸物件でペットを飼っていた場合、退去時に高額な原状回復費用を請求されるリスクがあることをご存じでしょうか？
「ペット可の物件なのに、なぜ100万円も請求されるの？」
「どこまでが妥当な金額なのか知りたい」という方のために、本記事では以下のような情報を詳しく解説していきます。
ペットを飼っていた部屋の退去費用相場
高額になる原因とその内訳
トラブルを避けるための対策
ペット禁止物件でのリスク

ペットを飼っていた賃貸物件の退去費用相場はどのくらい？

ペットによる原状回復費用は、通常の退去費用よりも大幅に高くなる傾向があります

一般的な単身者の退去費用は1K・1LDKで3〜5万円、ファミリー向けで10万円前後が目安ですが、ペットを飼育していた場合は20〜40万円程度になることが多く、状況によっては100万円近くになるケースもあります。

目安となる退去費用の例

犬や猫などの動物は、におい・毛・傷・汚れを同時に残すため、通常の原状回復では済まず、専門業者による特別清掃が必要になることもあります。

なぜ退去費用が100万円近くに跳ね上がることがあるのか？

犬や猫による臭いや傷は「通常使用の範囲」を超えると判断されやすい

以下のような要因が複数重なると、退去費用が100万円に近づくことがあります。

● においの除去が困難

ペットの尿や体臭が床や壁に染みついてしまうと、オゾン脱臭やクロス全面張替え、壁下地処理が必要になります。
これにより費用が大幅に上がることも。

● 壁や床の損傷

爪とぎや飛び跳ねによるフローリングの傷、壁紙のはがれは、通常損耗と認められないため借主負担となります。

● ペットの毛の清掃に時間とコストがかかる

換気扇や床の隙間に入り込んだペットの毛を除去するために、ハウスクリーニング＋特別作業費が発生するケースも。

● ペットの粗相（おしっこ、嘔吐など）

しみこんだ場合、フローリングや畳を下地ごと交換する必要が出てきます。

ペット可でも安心できない？ペット禁止物件で飼育した場合のリスク

契約違反になると「違約金」や「強制退去」も

ペット不可の物件でこっそり動物を飼っていた場合、発覚すれば以下のような事態に発展します。
◆違約金の請求（契約内容によっては家賃数ヶ月分）
◆即時退去の要求
◆全額自己負担による原状回復
◆近隣からのクレーム→関係悪化
◆裁判やトラブルに発展することも
 契約書に「ペット禁止」と記載がある場合、たとえ迷惑をかけていなくても契約違反とされ、重い責任を問われることがあります。

高額請求を避けるには？入居中にできる原状回復対策と退去前の準備

ペットと暮らすなら、あらかじめトラブル回避策を知っておくことが大切です

フローリングにペットマットやタイルカーペットを敷く

爪による傷やおしっこの染み込みを防ぐための基本的な対策です。

壁にはキズ防止パネルや腰壁カバーを設置

猫の爪とぎや犬の飛びつきによる壁紙の破損を防止します。

脱臭剤・空気清浄機を常時使用

においが室内に染みつかないように日頃から対策しておきましょう。

ハウスクリーニングは退去前に自費で実施する

管理会社に任せると割高な業者になることも。自分で信頼できる業者に依頼することで費用を抑えられる可能性があります。

退去時は写真とチェックリストで状態記録を残す

費用トラブルを避けるために「どこまでがペットによる損耗か」を証明できる状態で退去することが重要です。

退去費用が高すぎると感じたときの相談窓口

高額な請求が届いた際、次のようなステップで対応するのが安全です。

１，明細書を請求する
２，契約書の内容と国土交通省の「原状回復ガイドライン」を確認
３，管理会社・大家に根拠の説明を求める
４，第三者（消費生活センター、弁護士など）に相談する

まとめ｜ペットと快適に暮らすために、退去費用の知識は必須！

ペットと暮らせる賃貸物件は増えてきましたが、「ペット可だから大丈夫」と油断していると、退去時に思わぬ高額請求を受けることがあります。特に壁や床の傷、におい、毛の飛散などは通常損耗とはみなされず、借主負担になるケースが多いことを知っておきましょう。
この記事のポイントまとめ
◆ペット可物件でも退去費用は20〜40万円が相場。条件次第では100万円に達することもある
◆壁紙・床材・におい除去が高額請求の原因に
◆ペット禁止物件での飼育は重い契約違反となり、違約金や強制退去のリスクあり
◆事前対策と退去前のクリーニング、チェック記録がトラブル回避のカギ
◆請求が不当と思ったら、明細確認・交渉・専門機関への相談を