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エアコンが冷えないのはガス漏れが原因かも?
「エアコンの効きが悪くなった」「風は出ているけど冷たくない」「室外機がうるさい」
こんな症状がある場合、冷媒ガス(フロン)の漏れ=ガス漏れが起きている可能性があります。
エアコンの冷媒ガスは、熱を運ぶ重要な役割を担っており、これが漏れてしまうと、冷房も暖房も機能しなくなるのです。
ガス漏れは時間が経てば自然に直るものではありません。原因を突き止め、適切に修理・対処することが必要です。
ガス漏れの主な原因6選|家庭で起こりやすいケースを順に解説
ガス漏れの原因はさまざまですが、多くは次の6つに分類できます。
それぞれに対策方法が異なるため、原因を正確に知ることが大切です。
1. 取り付けミス|施工不良による接続不良や加工不備
新築時や買い替えでエアコンを設置したばかりなのに冷えが悪い…。このような場合、取り付け時の施工ミスが原因の可能性があります。
よくある施工ミス
◆冷媒配管のフレア加工ミス(配管の端を整形する作業の不備)
◆接続ナットの締め付け不足
◆室内機・室外機の設置位置が悪く、配管に無理な負荷がかかっている
これらのミスにより、設置後数ヶ月〜1年程度でガス漏れが発生することがあります。
この場合、施工業者による保証対象となるケースが多く、無償修理になる可能性もあります。
2. 経年劣化|長年使っていると起きる金属疲労・腐食
エアコンの配管や部品は、使用年数とともに劣化していきます。
特に10年以上使用しているエアコンでは、金属の腐食や部品の摩耗が進行し、わずかな穴や亀裂からガスが漏れ始めます。
劣化が進みやすい箇所
部品名 | 劣化リスク | 解説 |
---|---|---|
冷媒配管 | 高 | 振動や気温変化により金属疲労が起きやすい |
熱交換器 | 中 | 結露や湿気によって腐食が進行 |
継手部分 | 高 | 接続箇所のパッキンが劣化する |
✅ 補足: エアコンの平均寿命は約10年と言われており、それを超えて使用する場合は、ガス漏れのリスクも高まると考えておきましょう。
3. 部品の損傷|コンプレッサーや接合部のトラブル
冷媒ガスの圧縮・循環を担う重要部品であるコンプレッサーや、配管の接合部が破損している場合もガス漏れが発生します。
特に室外機が激しく振動する、異音がするなどの症状がある場合は要注意です。
部品交換が必要になると、修理費用が高額になりやすく、3万円〜5万円を超えるケースもあります。
4. 室外機の移動や転倒による物理的ダメージ
引っ越しや模様替えで室外機を無理に動かす・傾ける・転倒させると、
配管の接続部分に負担がかかり、ガス漏れの原因になります。
よくある事例
◆業者を通さず、自分で室外機を持ち上げた
◆台風で室外機が倒れた
◆車や物が室外機にぶつかった
✅ 注意点: 室外機は精密部品が多く、配管も高圧ガスを扱うため、素人の取り扱いにはリスクがあります。
5. 除菌スプレーや消臭剤による腐食
意外と知られていませんが、除菌スプレーや芳香剤・虫除けスプレーのガス成分が、
エアコン内部や配管の金属部分を腐食させ、ガス漏れの原因になることがあります。
特に注意が必要な行動
◆吹き出し口に直接スプレーをかける
◆室内機の周囲でエアゾール製品を頻繁に使用する
◆室外機の周りに強い薬品や洗剤を撒く
これらの行為は保証対象外になることが多いため要注意です。
6. 冷媒ガスの種類や圧力の違いによる不具合
エアコンにはいくつかの種類の冷媒ガス(R32、R410Aなど)が使用されており、ガスの種類ごとに圧力や性質が異なります。
万が一、誤った種類のガスを充填した場合や、規定量より多すぎ・少なすぎる場合、内部の圧力に異常が起こり、ガス漏れや機器故障に繋がります。
ガス漏れに気づくきっかけとなる症状
症状 | 内容 |
---|---|
冷房が効かない/ぬるい風しか出ない | ガス不足で熱交換ができていない |
室外機がうるさい/振動が大きい | コンプレッサーが空回りしている可能性 |
室内機から水が飛ぶ/結露がひどい | 温度バランスの崩れで結露処理不能に |
霜や氷がつく | 冷却が不安定で異常冷却が起きている |
ガス漏れが起きた場合の対処法と修理の流れ
ステップ①:保証書・施工記録を確認する
購入から5年以内であれば、冷媒回路に関するメーカー保証が適用されることがあります。
また、取り付けから1〜3年以内なら、施工業者による工事保証が適用される場合も。
ステップ②:メーカーまたは設置業者に連絡する
保証が有効な場合、無料または低コストでの修理対応が受けられる可能性があります。
保証期間外でも、点検→漏れ箇所の補修→ガス補充という流れで対応可能です。
修理費用の目安
修理内容 | 費用相場(税別) |
---|---|
ガス漏れ点検 | 5,000〜10,000円 |
ガス補充(R32など) | 10,000〜20,000円 |
配管補修 | 10,000〜30,000円 |
コンプレッサー交換 | 40,000円以上 |
まとめ|ガス漏れの原因を見極め、早期対処がエアコンを守るカギ
エアコンのガス漏れは、「ただの冷えが悪い」というだけの問題ではなく、
放置すればするほど故障が広がり、修理費用もかさむトラブルです。
✅ 本記事のまとめ
✅ ガス漏れの主な原因は施工ミス・経年劣化・部品の損傷
✅ 除菌スプレーや室外機の衝撃にも注意が必要
✅ 保証がある場合は早めの相談がコスト削減のカギ
✅ 漏れを感じたら放置せず、点検・補修・再充填をすぐに行う