賃貸物件を退去する際、「壁紙の汚れや傷って自分が払うの?」「張り替え費用ってどれくらい?」と不安に感じる方は多いはずです。
実は、壁紙の張り替え費用はすべてのケースで借主が負担するわけではありません。
国土交通省が定めるガイドラインでは、壁紙の劣化や汚れの原因が“通常使用によるもの”か“借主の過失や故意によるもの”かで、費用負担者が明確に分かれています。
この記事では、賃貸の退去時における壁紙張り替えの費用相場や、借主・貸主の負担区分、原状回復の意味、敷金との関係まで、初めての退去でも安心して準備できるように、丁寧に解説していきます。
Contents
壁紙の張り替え費用は誰が払う?
賃貸契約をしている物件に住んでいると、壁紙の色あせや小さな汚れが気になってきますよね。
では、退去時にそれを修繕する必要があるのか、誰が費用を負担するのかを見てみましょう。
貸主(大家・管理会社)が負担するケース
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壁紙の自然な経年劣化(色あせ・黄ばみ)
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日焼けや時間による変色
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家具の設置による軽微な圧痕
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壁紙の耐用年数(おおよそ6年)が経過した場合
借主が普通に生活していて自然と発生する劣化や傷みは「通常損耗」とされ、貸主が修繕費を負担するのが原則です。
借主(入居者)が負担するケース
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子どもやペットによる壁の破れや引っかき傷
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壁に貼ったポスターやシールの剥がし跡
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タバコのヤニ汚れや臭い
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飲み物のシミや手垢など、掃除で防げる汚れ
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善管注意義務違反に該当する汚れ・破損
「うっかりつけた傷でも借主負担になるの?」と思うかもしれませんが、故意・過失とみなされれば原状回復の対象となります。
壁紙の張り替え費用の相場は?
壁紙張り替えの費用は、面積やグレード、施工方法によって大きく異なります。
ここでは、代表的な費用目安を紹介します。
1㎡あたりの費用相場
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約2,000円前後(一般的なビニールクロスの場合)
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ハイグレードな壁紙を使うと、1㎡あたり3,000円以上になることも
修繕費は、張り替える面積×単価で計算されます。広範囲の損傷がある場合、数万円単位での請求になることもあります。
6畳1部屋の壁紙張り替え費用相場
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約4万〜5万円程度が目安
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壁4面+天井などを含めると、30㎡前後になることも
張り替えるのが一部だけで済む場合(壁の一面だけなど)は1〜2万円で収まるケースもあります。
原状回復とは何か?
「原状回復」という言葉はよく聞くけれど、実際にはどういう意味なのでしょうか?
ここでは、賃貸住宅における原状回復の基本を整理します。
原状回復とは?
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賃貸物件を「入居時の状態に戻して退去する」ことを意味します。
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ただし、全くの新品同様に戻す必要はありません。
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国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、「通常損耗と経年劣化は貸主負担」と明記されています。
補足: 借主が負担するのは、あくまで「故意・過失によって生じた損傷や汚れ」の修繕です。
つまり、「普通に生活していたら起こる範囲」の傷みは原則として払わなくて良いのです。
敷金と原状回復費用の関係
退去時に「修繕費は敷金から引かれます」と言われることがありますが、これはどういう仕組みなのでしょうか。
敷金とは
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賃貸契約時に預ける「保証金」のようなもの。
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退去時に原状回復費用や未払い家賃があれば、そこから差し引かれます。
原状回復費用の支払い方法
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借主負担分の修繕費がある場合、敷金から精算されます。
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修繕費が敷金を超える場合は、別途請求されることもあります。
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負担するべき費用がなければ、敷金は全額返還されます。
補足: 敷金がすべて戻ってくるかどうかは、退去時の部屋の状態次第です。明細をしっかり確認し、納得できない場合は内容証明や相談機関の利用も検討しましょう。
壁紙のトラブルを防ぐには?
将来のトラブルや高額請求を防ぐためには、入居時・在住中にできる予防策を講じておくことが重要です。
入居時にやっておきたいこと
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壁や床、天井などに傷や汚れがないか確認
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気になる箇所は写真に残しておく
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契約書・重要事項説明書を読み込み、「原状回復」に関する条項をチェック
在住中に気をつけたいこと
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ペットや子どもによるいたずら防止グッズを使う
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ポスターやシールを貼るなら、はがしやすいアイテムを選ぶ
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タバコは室内で吸わず、ヤニ汚れを防ぐ
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定期的に壁の掃除をしてカビやシミを防止
「気をつけていたのに汚れてしまった…」というケースでも、事前に対策していれば交渉時に有利になる場合があります。
まとめ
賃貸住宅を退去する際の壁紙張り替え費用は、「自然な劣化か」「故意・過失による損傷か」によって、借主と貸主のどちらが負担するかが分かれます。
この記事のまとめポイント
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通常使用による汚れは貸主負担、過失による損傷は借主負担
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6畳の壁紙張り替え費用は約4〜5万円が目安
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原状回復とは「入居時の状態に戻す」ことであり、新品に戻す義務はない
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修繕費は敷金から差し引かれることが多い
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入居時の写真記録や日頃のメンテナンスでトラブルを回避できる
賃貸の退去時に慌てないためにも、入居したときから「原状回復」のことを意識しておくことが、トラブル回避と費用負担の軽減につながります。もし疑問や不安がある場合は、不動産会社や消費生活センターなどに相談するのもひとつの手です。