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購入から2年でガス漏れ?「ありえる」よくある相談と初期対応
「まだ買って2年なのに、エアコンがまったく冷えない」「ぬるい風しか出ない…」
このような症状で修理を依頼した結果、「冷媒ガス(フロン)が漏れていました」と言われるケースが意外と少なくありません。
エアコンのガス漏れといえば、一般的には長年使用している古い機種に起こるトラブルのように感じるかもしれませんが、実は設置後わずか1〜2年以内でもガス漏れは発生します。
この記事では、購入2年以内のエアコンにおけるガス漏れの主な原因、症状、対処法、修理保証の有無、買い替えの目安までわかりやすく解説していきます。
【原因1】2年以内のガス漏れは取り付け工事の不備が圧倒的に多い
初期不良ではなく「施工ミス」が主な原因
購入から2年以内でガス漏れが起きた場合、最も多い原因は取り付け工事の不備です。特に、次のような施工ミスが原因となります。
◆冷媒配管の接続が緩かった(ナットの締め不足)
◆フレア加工のミス(配管の先端処理不良)
◆パイプの接触による摩耗・破損
◆パテ処理不十分による結露・腐食
工事不備の特徴
施工不良によるガス漏れは、1年目では症状が出ず、2年目の夏になって初めて冷えなくなることも珍しくありません。
配管内部の圧力変動によって、わずかな隙間から徐々にガスが抜けていくためです。
✅ 補足: メーカー製品の初期不良でガス漏れが起きるケースはごく稀で、多くは「設置時のミス」が原因です。
【原因2】スプレーや周囲環境による腐食も考えられる
使用環境による腐食に要注意
購入後2年以内であっても、室内外の使用環境によって冷媒管や熱交換器が腐食してガス漏れを起こすこともあります。
よくある腐食原因
◆ヘアスプレー・芳香剤・虫除けスプレーなどの噴霧が室内機にかかる
◆室外機に塩害(海沿い)や排気ガスがかかる
◆ペットの尿などによる配管腐食(稀にあり)
これらは設置ミスとは異なり、保証対象外となるケースも多いため、使用環境には注意が必要です。
【症状】ガス漏れによるエアコンの不具合とは?
ガス漏れが発生すると、エアコンの動作は一見「普通」に見えても、以下のような異常が現れることがあります。
症状 | 内容 |
---|---|
冷房・暖房が効かない | 一番わかりやすい異変。設定温度にならない |
ぬるい風しか出ない | 冷媒が不足して熱交換できていない |
室外機が異常音・高音を出す | インバーター回転数が異常上昇 |
水漏れや水飛びが起きる | 温度バランスが崩れて結露が制御できない |
放置はNG!さらなる故障を招くことも
ガス漏れを放置していると、コンプレッサーや基板への負担が大きくなり、最悪の場合は本体の故障にまで発展します。
特に、コンプレッサーの焼き付きが起きると、修理では済まず本体の買い替え(5〜10万円以上)になるリスクも。
【対処法】ガス漏れかも?と思ったら最初にやるべきこと
手順①:まずは「取り付け業者」に連絡を
購入から2年以内でガス漏れが発生した場合は、施工業者の無料保証対象となっているケースが多いです。
取扱説明書や保証書に記載されている「設置業者」「施工年月日」を確認し、まずは電話で相談しましょう。
施工保証の例(多くの業者)
項目 | 保証期間 | 内容 |
---|---|---|
施工不備(配管ミスなど) | 1年〜3年 | 点検・再施工・ガス補充が無償になることも |
製品の初期不良 | 1年(メーカー保証) | 部品交換・本体交換対象 |
✅ 注意: 家電量販店などで購入した場合は、販売店経由で手配された工事会社に連絡が必要です。
手順②:メーカーへの相談も選択肢に
もし施工業者と連絡が取れない場合は、製造メーカーのカスタマーサポートに連絡してみましょう。
◆ガス漏れの確認方法(霜・異音・冷えの異常)
◆保証の適用範囲の確認(修理費用・出張費)
◆施工業者の再紹介なども対応してくれることがあります
【費用】2年以内でも保証外なら修理費用は?
施工不備が認定されない、または保証期間外だった場合は、ガス漏れ修理の実費がかかる可能性があります。
修理費用の目安
修理内容 | 費用相場(税抜) |
---|---|
点検・診断のみ | 5,000円〜10,000円 |
ガス再充填(R32/R410A) | 10,000円〜20,000円 |
配管修理・補修 | 15,000円〜30,000円 |
コンプレッサー交換(重故障) | 40,000円以上 |
保証が効かない主な理由
◆設置から2年超え
◆スプレーや環境要因などの「使用者責任」
◆自己取付(DIY)や認定外業者の施工
【買い替えか修理か】判断基準は「使用年数」と「修理費」
2年程度でガス漏れが起きた場合は、修理の方が圧倒的にコスパが良いです。
ただし、以下のようなケースでは買い替えも検討しましょう。
買い替えを検討するタイミング
◆使用年数が10年以上(耐用年数の目安)
◆修理費が3万円以上かかる
◆複数回ガス漏れを繰り返している
コンプレッサーや熱交換器などの主要部品に不具合
まとめ|2年以内のエアコンのガス漏れはまず「工事保証」を確認しよう
エアコンを購入してわずか2年でガス漏れが発生するのは、「珍しいけれど実際にある」トラブルです。
多くの場合は施工ミスが原因で、業者による無償修理が可能なケースも多いため、以下の順で対処していきましょう。
✅チェックポイントまとめ
✅ 冷房が効かない・ぬるい風はガス漏れの可能性
✅ まずは施工業者の保証期間内か確認
✅ 使用環境やスプレーによる腐食にも注意
✅ 保証外でも早期修理で費用は最小限に
✅ 高額修理や10年以上使用なら買い替えも検討