「クロス(壁紙)が汚れてしまったけど、これって退去時に請求される?」「費用は全部こっち持ちになるの?」
賃貸物件に住んでいると、クロスの汚れや破れが気になることがありますよね。
実は、壁紙の張り替え費用はすべて借主が負担するわけではありません。
このページでは、クロス張り替えの費用負担のルール、入居者と大家さんの責任の分かれ目、費用の計算方法、退去時の支払い方法、さらにはトラブルを防ぐための対策まで、わかりやすく解説します。
Contents
クロスの張り替え費用は誰が負担?
クロス張り替え費用の負担は、「汚れや損傷の原因が何か」によって大きく変わります。
入居者の全額負担と思いがちですが、実際には貸主側が負担すべきケースもあります。
大家さん(貸主)が負担するケース
◆経年劣化による色あせや黄ばみ
自然な時間の経過によって変色するものは「通常損耗」と判断され、大家さんの負担になります。
◆家具の設置によるクロスの押し跡
生活していれば必ず発生するレベルの傷みのため、入居者に責任はありません。
◆クロスの耐用年数(6年)を超えている場合
国土交通省のガイドラインでは、クロスの寿命は約6年とされ、それ以降の張り替えは原則貸主の負担となります。
入居者(借主)が負担するケース
◆タバコのヤニによる変色や臭い
通常の生活レベルを超える汚れと判断され、借主負担になります。
◆壁紙にシールを貼った跡、落書き、故意の破損
意図的、または注意を怠った損傷として扱われます。
◆台所の油汚れや、換気不足による結露のカビ
適切な清掃や換気をしていれば防げる汚れのため、借主の管理責任が問われます。
「ちょっと汚れただけなのに…」と思っても、故意や過失と判断されると費用の一部または全額を負担することになります。
トラブルを避けるためにも、汚れの原因を明確にしておくことが大切です。
クロス張り替えの費用はどうやって計算される?
退去時に「クロス張り替え代〇万円を請求されました」という話を耳にしますが、その金額はどうやって算出されているのでしょうか?
費用の計算方法
クロスの張り替え費用は、以下の式でおおまかに算出されます。
クロス単価 × 必要面積(㎡)+施工工賃
◆一般的なクロス単価:1㎡あたり約1,000〜2,000円
◆工賃(施工費):張り替え1部屋で2万〜3万円前後が目安
クロス幅と面積の関係
◆クロスの幅は通常約90cm(0.9m)
◆1m分のクロスはおよそ0.9㎡として計算されます
例:6畳(約30㎡の壁面)を全面張り替える場合
→ 30㎡ × 1,500円(単価)+ 工賃25,000円=約7万円程度
請求書には「㎡単価」や「工賃」が書かれていることが多いので、内容をしっかり確認して、納得できない場合は不動産会社に説明を求めましょう。
退去時にクロス張り替え費用をどうやって支払う?
賃貸物件を退去するとき、「クロスの張り替え代は敷金から引かれる」と言われることがあります。
ここでは、その流れと注意点を解説します。
敷金とは?
◆入居時に預ける「保証金」のようなもの
◆家賃の未払いや原状回復費用などに充てられます
◆残金があれば、退去時に返金される仕組み
敷金から差し引かれるパターン
◆入居者に過失があるクロスの張り替え費用
◆その他、壁穴の補修・フローリングの傷など
敷金がない・超過した場合は?
◆契約時に敷金ゼロ物件だった場合、修繕費は退去時に直接請求される
◆敷金より修繕費が高い場合、差額を追加で支払う必要があります
原状回復費用の明細はできるだけ書面でもらいましょう。不明な項目がある場合は、その内訳を確認するのがトラブル回避のコツです。
クロスの張り替えでよくあるトラブルと防止策
「クロスが汚れてしまって請求された」「思っていたより高額だった」など、退去時のトラブルは少なくありません。
以下のような対策をしておくことで、費用負担を最小限に抑えることができます。
よくあるトラブル例
◆タバコのヤニで壁一面の張り替えを請求された
◆シール跡が落ちず全面張り替え扱いになった
◆クロスの剥がれを放置してカビが発生し、補修費が高額に
トラブルを防ぐためにできること
◆タバコはなるべく室内で吸わない(壁紙変色のリスク大)
◆シールやポスターを貼る場合は「貼って剥がせるタイプ」を使う
◆定期的に換気し、湿気や結露によるカビを防ぐ
◆クロスに汚れがついたら早めに中性洗剤などで拭き取る
◆入居時の写真を撮っておく(元の状態の証拠になる)
こうした日々の積み重ねが、退去時の交渉や請求トラブルを防ぐ「予防策」になります。
まとめ
賃貸物件におけるクロス張り替えの費用負担は、「その汚れや損傷がどうして起こったか」によって貸主・借主の負担が大きく異なります。
この記事のまとめポイント
◆経年劣化や通常使用による汚れは大家負担が原則
◆故意・過失による損傷(ヤニ・油汚れ・落書きなど)は入居者負担
◆費用は㎡単価+工賃で計算され、6畳で4〜7万円が目安
◆原状回復費用は敷金から差し引かれるが、超過分は追加請求されることも
◆入居中の予防や写真記録がトラブル防止に役立つ
まずは、借りた部屋を大切に使うことが最もシンプルな対策です。
そして、退去時に「損しない」ためには、入居時からの記録・知識が武器になります。